アン・スークーン トーク&上映会「ひとつの抱擁」

2017.11.27.月曜日

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11月19日、アン・スークーンによるトーク&上映会「ひとつの抱擁」を開催しました。

彼女は、彫刻やモニター、映像など、様々な方法で制作をします。
作品に通じることは、合理的な世界を再認識すること、そして存在の不安定な性質についての関心です。
たとえば、ACACで展示している《SPECTRE》に通じる作品《PRESENT SENSE》は、身近なありふれたものを、拡大してパネルに提示し、新しい見え方を加え、物が持つ文脈から切り取ることで、身近な世界を再発見するための新たな視点をもたらします。
また、上映した《Exorcize me》は、大人になると忘れしまう、自分自身の存在に関する思春期の不安を、ゾンビメイクをした女の子たちが学校で気だるげにしている様子から描き出していました。

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印象的だったのは、バンの上に水晶を成長させて作った作品《Your Love is Like A Chunk of Gold》です。丸みのあるパンが尖った水晶と組み合わされることで、相反する印象が生まれていました。なじみ深いはずのパンは黒く、普段出会うはずのない水晶と組み合わされ。地質学で扱われるような未知の物に見えます。
会場からの質問によって、特徴的なタイトルをつける理由は、その意味を縛らないようにするためであることもわかりました。
アンは、作品の素材・表現方法・タイトルすべてによって、私たちの普段の認識を変化させることで、存在の不安定さについて表現していることがわかりました。

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