海外派遣事業―鈴木基真さんのブラジルレポート:美術紀行3、4週目

2020.4.15.水曜日

covid-19の影響を受けて後半数日は何もできませんでしたが、3月に無事帰国してこれを書いています。

3月10日:
平日のルーティンは昼にサンドラのスタジオでランチミーティングをし、その後外出して人にあったり展示を見に行ったりする流れです。サンドラがいなくても使用人の人たちと昼食を取ることがある。
言葉は全く通じないが、子供の写真を見せあったりしながらワイワイ楽しく過ごしていた。

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食事のメニューはだいたいこの様な感じで、米、豆、肉が主体で味付けは日本人の口にもよく合う。
自分が食べたいだけ皿にとり食べます。マルシアの料理はとてもおいしい!
ビタミンはフレッシュフルーツジュースから取れるし、一皿に全てが盛られているのでとても合理的!

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涼しい日が続いていましたがこの頃はよく晴れて暑くなってきた。

ダイニングのあるテラスから階下を覗くと緑が美しい。

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夏らしい空、風が心地よい。風鈴の音も聞こえる。隣の家の外壁を自宅の塀として扱う構造をよく見る。

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キッチンが可愛い。

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食事前に少し時間があるとサンドラのスタジオにある本棚を物色するのだが、ブラジルの美術をまとめた図録がよく目につく。自国の美術をアーカイブすることにとても積極的だと感じた。

この日は昼食後、日本の知人からの紹介でHENRIQUE OLIVEIRAというアーティストを訪ねることができた。
彼は過去に岐阜で円空賞も受賞している有名なアーティストで、拠点はフランスとサンパウロ、アメリカにはストレージも持っているほど世界的な活動をしているようだ。

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新作のレリーフ状の作品。アシスタントさんが熱心に作業をしていました。

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着色された作品も。

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休憩所の屋根は彼の作品にもなっていて、そこでコーヒーをいただきながら、世界の美術の状況や私の作品について話したり、彼のギターを聴いたり贅沢な時間を過ごすことができました。

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昔に作った作品だそう。基本的にはネットワイヤーに接着剤を染み込ませたボール紙を巻きつけ、タッカーで合板から剥いだ薄い木を留めていく造形方法で、軽量な様ですが、この作品はそれが確立する前の作品でとても重くなってしまったそう。

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油絵具を盛ったペインティングも同時並行で制作していた。立体作品と共通する有機的な形はどこかブラジルの自然を模したものに感じる。

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整理された立体作品制作のための道具と、ペインティング制作用の道具。
効率的で合理的な彼の性格が垣間見れた気がする。

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スタジオから望むサンパウロの街。風が心地よい。
スタジオのあるエリアは旧問屋街で、新しく高層マンションなどが立ち始めた場所にあり、サンパウロの昔ながらの街の雰囲気と現代の開発の勢いを感じながら制作できる羨ましい環境だ。
彼が迎えにきてくれた小型の赤いピックアップトラックを見て、彫刻家の車だね!と、妙なところで盛り上がったのを覚えている。
ともかく、忙しく世界を行き来する彼に会えたのはとてもラッキーだったし、賑やかで変革の勢いのあるサンパウロにありながら、ゆったりとした時間を作り出し、自分の制作している彼を見ると、美術って本当に良いものだなと感じた。
帰りはウーバーを奢ってくれた。ありがとうHENRIQUE!

3月12日:
この日は夜にオープニングを迎えたサンドラの展示に行った。

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たくさんの人が詰めかけていて注目度の高さが伺える。

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円形の壁面内部に描かれた新作ドローイング。

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多様な作品群。

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日本文化への関心の高さも伺える。
設営途中から経過を見ていたので完成した展示を観れて感慨深いものがあった。

3月13日:
この日はアーティストのDing Musaが計画してくれた市内ツアーに参加させてもらった。
彼もアトリエフィダルガのメンバーであり、サンパウロの美術館でも作品を観ることのできる活動豊富なアーティスト。
ちょうど日本から建築家のo+hさんたちがJapan Houseにレクチャーに来る日程と重なったため、彼らのために企画されたツアーに同行させてもらった形。
建築の観察が主なツアーでしたが見どころと発見がいくつかあったので紹介したい。

1箇所目:Casa de Vidro Lina Bo Bardi
通称ガラスの家
MASPを設計した建築家のリナ ボー バルディの私邸。

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建てられた当時のことを考えるとかなり奇抜な設計だったと想像できる。
土地の高低差の利用、ガラスを多用した解放感のある設計は、現代の建築家にも大きな影響があったのではないかと思う。

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柱が細い笑。現代日本では建築許可が降りなそう、、、。

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受付、ショップはもともとガレージだったところ。

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門から家へと続く坂道。当時のものかどうか分からないけれど、遊び心がある。

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屋外のピザ窯とBBQグリル。現役だそう。

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土留壁。ここにも遊び心が。植物との絡みもブラジルらしい。

 

2箇所目:SESC Pompeia
SESCというNGO組織が運営する施設のうちの一つ。こちらも建築家のリナ ボー バルディの設計。
元ドラム缶工場を改築した建物となっている。
サンパウロ市内には多くのSESC施設があり、一般市民向けのプールなどのスポーツ施設、工作などのカルチャーセンター、アートイベント施設、などなど大型の複合施設となっている。

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煉瓦倉庫部分とリナ ボー バルディの設計部分。残念ながら市民会員でないと中には入れず。

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屋根部分はスレートが剥き出し。右はガラスのスレート。怖い笑
ブラジルの建築は断熱という概念がなく日本とは全く趣が異なる。総じて華奢な作りに見える。

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保育施設もある。

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誰でも使えるフリースペース。

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こちらは劇場。面白い形状をしている。この配管の配色!

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野外にはアート作品も。

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またここの施設には経済的に厳しい人たち向けに格安で食事を提供するレストランが有り、地域の救済にも貢献しています。元はそれが活動の主軸かと思うが、様々な人が様々な目的でここを訪れることに意味が生まれていてとても有意義な場所に感じた。
ちなみにここのレストランは、市民以外でも利用できるが、その様なビジターの場合は市中のレストランと同等価格になるように設定されている。

3箇所目:エディフィシオイタリア
観光名所なので説明は省く。
いわゆる眺望スポットだ。

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最上階には高級レストラン、サンパウロの街が一望できる。

建築家の方とのツアーだったので、話を聞いてみたら、この密度はヤバイと言ってました笑
4箇所目:MSTC
MSTCとは、movimento sem teto do centroの略で、中央サンパウロホームレス運動という、ホームレスが住居の権利を主張する運動の事。
サンパウロにはホームレスがかなりの数おり、経済状況の悪化からその数は増え続けているそう。
同じ様に廃ビルも増えている。その廃ビルをホームレスが占拠し、共同で食事を作ったり、部屋を家族ごとに割り振るなど規律がある生活をしている。各運動団体と連合を作り、政府の使われていない建物をホームレスの住居のために解放する様、大統領と交渉するほど大きな活動となったことも。
その廃ビルの一つにdingはアーティストとして関わっており、今回引率してもらえた。

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占拠しているビル。こういった廃ビルが各所にあり、それぞれ占拠されていてホームレスが数10~100家族ほど生活している。
ただ、街の様子を見ていると明らかに新しいビルが増えており、国の政策もあって、建物の外観からも外資の流入が激しいことをうかがわせる。ということは、ホームレスは増え続けているものの、彼らの住む場所は今後減っていくことになるのかもしれない。

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なんの建物だったところだろう。ここで映画の上映会などのプログラムをするそう。

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外から続く廊下。掲示板の様になっている。

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室内はしっかり電気も来ており明るい。

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共同のキッチン設備は寄付されたものだそう。他にも食堂や集会所があり、みんなで集まって交流したり、ワークショップをしたりするそう。また、住民が作ったものを販売するショップもある。

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住民の一人に促されて部屋を見せてもらった。彼女は車椅子生活だが、人形を作っている。制作意欲は旺盛だ。

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目玉はこちら。建物の地下に展示スペースを設けてある。住人の作品や、寄付されたアーティストの作品が展示されている。
内容は政治的なものや、人種、性差別、特定の事件を扱ったものが多い。
地下で薄暗く、配管が集約しているため鼻を突く匂いが立ち込めているが、作品の成り立ちを考えると妙に説得力のある場所に感じる。

5箇所目:japan house
dingと分かれて2度目の訪問。目的はo+hさんのレクチャーを聴くため。

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とても良い話を聞けた。日本でももっと聞きたいなと思う。いずれ機会があれば。
質問者から日本の文化をどう意識するかと聞かれていて少し悩んだ様子でしたが、これは自分にも当てはまることなので宿題となった。
そういえばあまり自覚的に意識したことはなかった。
japan houseはわかりやすい日本の文化(着物、浮世絵、酒、茶道など)を紹介する施設であって、ともすれば海外では誤解されやすい伝え方になっているのではないかとの疑問もあるが、それら古典を明確な形で基盤とせず、常に新しいものと消費に目をむけて来た功罪もあるだろうと思う。
くしくもこの週は3.11の週にあたり、人の住うことについて考えさせられる機会となった。

3月16日:

サンパウロ 最大のギャラリー街に行くことにした。
フィダルガ周辺のギャラリー街は月曜日休みだったのでこの日は日曜日だったので空いているだろうと向かったのだが、、、。

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結果全てのギャラリーが休みだった、、、。
こちらのエリアは日曜日休みなんだとか、、、。
では翌日また再度訪れようと思ったのだが、新型コロナウイルスの影響でサンパウロ市内のギャラリー美術館は全て閉鎖になることが決まってしまった、、、。
見るべきものの3大エリアのうち1つを失ったのは大きい。
もっと早く行くべきだった。
ともかくギャラリー街を歩きながら街散策などして帰宅した。

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樹がでかい。こちらは建築の際絶対に樹を切ってはいけないらしい。建物にめり込んだ樹木をよく見かかる。

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ファッションのお店が多く立ち並び、フィダルガ周辺とはまた違った趣きのある街だ。

 

 

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唐突に路上市が開催されていたりする。

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どこの建物にも壁画が描かれている。その現場を目撃。

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日本でも昔使われていた黒いゴミ袋。中身を想像させる形は面白い。

 

3月18日:滞在最終日
アルバーノがおみあげツアーに連れ出してくれました。

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一番凄かったのがここ。石屋さん。ブラジル原産の鉱石を中心に世界中の鉱石を販売している。そして安い。

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2階では購入した鉱石を加工して装飾品にしてくれるサービスもある。
形を見るだけで1日中居れる気がする。
自然の形はいつでも魅力的だ。

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アルバーノの購入したものの一部。水晶。
この10倍は買っていた。作品に使うそう。
感想:
HENRIQUE OLIVEIRAをはじめ、サンドラや他のアーティストに会って同じ時間を過ごすと、アーティストがアーティストに会うという行為は、とても美しい時間や空間を生むのだと改めて感じた。それがコミュニティーを大事にするという意味なのかもしれないと考えを新たにすることができた。日本でも積極的につながりを持っ
ていきたい。
サンパウロのアート事情を知ると、みなアートの生産性を高めようとする意識が高いことに気づく。マーケットに対する戦略面でもそうだし、そこで得たお金を若手やアシスタントなどコミュニティーに還元させる意識もある。
またdingの様に恵まれない人々にアートをとおして、彼らが政治や社会構造を変えるための直接的な表現の仕方を会得する方法を提供している。これもコミュニティーにとっても還元的なことであり、良い循環をうんでいる様に感じた。

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ACACより

鈴木さんが帰国されたのは新型コロナウイルス感染症の影響で国の間の行き来が止まる直前のことでした。

このような形で、日本と海外をアーティストがつないでくれることは、レジデンスを行う施設ならではのことで、今後も続けていきたいと考えています。現時点では、それぞれの居場所から動けない状況ですが、アーティストが行き来できる環境が少しでも早く整うことを願っています。

 

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展覧会開催延期について

2020.4.13.月曜日

当館で4月11日(土)からの開催を予定していた展覧会「いのちの裂け目―布が描き出す近代、青森から」は、開幕日を5月7日(木)に延期いたします。
例年春の展覧会は1年で最も来館者数が多いことを鑑み、新型コロナウイルス感染症拡大を懸念し、延期と決定いたしました。
5月7日(木)以降の予定につきましては、随時当館ウェブサイトにてお知らせいたしますのでご確認いただけましたら幸いです。

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2019年度当館刊行物のご案内とお詫び訂正のお知らせ

2020.4.8.水曜日

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2019年度に開催した当館展覧会の記録集を発行いたしました。また毎年3月に発行している一年の動きをまとめた年報かつ各事業についてのレビューとアーティストのインタビューを交えながら楽しくご覧いただけるマガジン『AC2(エー・シー・ドゥー)』も発行いたしました。夏AIR「はかなさへの果敢さ」、秋AIR「賑々しき狭間」、『AC2』No. 21に関しましてはご希望の方に無料配布しております。

(写真左上から)

◎石田尚志「弧上の光」

https://www.tandmprojects.com/collections/frontpage/products/light-on-the-arc-by-takashi-ishida

ゲスト論考:三本松倫代(神奈川県立近代美術館)、塚田優(批評家)
デザイン:古屋貴広(ワークバンド)

並製本(72頁)1,650円(税込)制作・販売:T&M Projects

◎ヴィジョン・オブ・アオモリ vol.17 塚本悦雄「彫刻ファーム」

リーフレット、無料

◎アーティスト・イン・レジデンス2019/夏「はかなさへの果敢さ」(三原聡一郎、ジャンフランコ・フォスキーノ、カルロス・ヌネス)

ゲスト論考:四方幸子(キュレーション/批評)
アートディレクション・デザイン:木村稔将

並製本(64頁)、無料

◎アーティスト・イン・レジデンス2019/秋「賑々しき狭間」(ミラ・リズキ・クルニア、佐藤浩一、宇多村英恵、エルモ・フェアメイズ)

並製本(70頁)、無料

◎『AC2(エー・シー・ドゥー)』No.21

特集:ACAC AIRのこれまで/これから(スペシャルインタビュー:近藤由紀(トーキョーアーツアンドスペースプログラムディレクター)ほか)

石田尚志展レビュー「画家と物質 石田尚志の『弧状の光』」光田由里(美術批評)

ヴィジョン・オブ・アオモリ vol.17 塚本悦雄「彫刻ファーム」レビュー「塚本さんの展示について」石田尚志(画家・映像作家)

夏AIR「はかなさへの果敢さ」レビュー「『はかなさへの果敢さ』に寄せて」金澤韻(キュレーター)

秋AIR「賑々しき狭間」レビュー「不可視の『賑々しさ』に向かって」黒沢聖覇(キュレーター/アーティスト)

キュレーター・イン・レジデンス・レポート(参加キュレーター:アヌシュカ・ラジェンドラン)

冬の芸術講座2019「あそびの余白」(2018年度事業)レポート(参加アーティスト:関川航平、漆戸美枝子、橋本尚恣、中島佑太)

新進アーティストトーク「道場破り」レポート(参加アーティスト:内田聖良、遠藤薫)

連載「アヴァンギャルド誌紙考」第22回(最終回)「戦後国策大判誌『フロント』」西野嘉章(東京大学総合研究博物館インターメディアテク館長)

並製本(124頁)、無料

〇お詫びと訂正のお知らせ

『AC2』No.21に下記の通り誤りがございましたので、訂正させていただくとともに深くお詫び申し上げます。

p. 25 表部分(2014年度)
誤)学芸員:近藤由紀、服部浩之*、金子由紀子
正)学芸員:近藤由紀*、服部浩之、金子由紀子

(テーマ設定を行う主担当に*)

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新型コロナウイルス対策について

2020.3.25.水曜日

【ご来場の皆様へ】(5月6日修正)

感染拡大防止のため創作棟、宿泊棟の新規の貸出は当面の間中止させていただきます。

4月11日(土)より開催予定の展覧会「いのちの裂け目―布が描き出す近代、青森から」は新型コロナウイルス対策のため、オープンを延期しておりましたが、感染対策を講じた上で、5月7日(木)から開催いたします。ご来場の皆様は、下に記載いたします注意点にご留意の上、ご来場いただけますよう、お願い申し上げます。

今後の状況によっては、展覧会および関連イベントの延期・中止の可能性も考えられますので、ご来館予定の方は、当館Webサイトや、Twitter、公式Facebookなどの最新情報をご確認の上、ご来館くださいますようお願いいたします。

・展覧会入場の際、受付にて連絡票にお名前・ご住所・ご連絡先電話番号・メールアドレス等のご記入をお願いします。会場受付に用紙をご用意いたしますので、ご記入の上、係の者にお渡しください。お手数をおかけしますが、ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。なおいただいた個人情報は、コロナウイルス関連の非常時連絡先としてのみ使用させていただきます。当展覧会終了後、約二週間後に処分させていただきます。

・館内は定期的に換気を行っております。展覧会は他の来館者と間隔をあけて鑑賞してください。イベント時は可能な限り他の来館者との間隔をあけて座っていただくようお願いいたします。そのため、イベント当日に会場を広い場所へ変更をする場合があります。ご了承いただけますと幸いです。(イベントの実施については現在検討中です。(5月6日))

・会場には入口にアルコール消毒液を設置します。また、共用部分はアルコール消毒を行います。

・マスクの着用、咳エチケット(くしゃみや咳をする際、マスクやティッシュ、ハンカチ、衣類の袖などで口や鼻をおさえる)や手洗いうがい等の感染症対策へのご協力をお願いします。

・感染予防のため、スタッフはマスクを着用する場合があることをご了承ください。

・少しでも具合が悪い場合は無理をせず体調管理にお気をつけいただき、来館をご遠慮ください。

・緊急事態措置の下、県をまたいだ移動は極力お控えいただきますようお願いいたします。

 

<展覧会会期の変更>
2020年4月11日(土) → 5月7日(木)~6月21日(日)

<関連イベントの変更>※5月6日以降の実施については検討中です(5月6日)

◎オープニング・アーティストトーク
本展覧会参加アーティスト3名が、今回の作品についてお話します。(中日逐次通訳あり)
日時  :2020年4月11日(土)14:30-15:30
→延期
会場  :展示棟ラウンジ集合→ギャラリー内へ移動
対象  :どなたでも
参加料等:無料、申込不要→要申込(申込締切:4月9日(木))(定員20名)

◎林介文レクチャー「Nii nami (Here we are)」
台湾原住民の太魯閣族にルーツを持つリン・ジェ―ウェン(林介文)。伝統的な織物を作る女性たちのことを取材し、映像作家であるトマソ・ムッツィ(Tommaso Muzzi)と共にドキュメンタリー映画「Nii nami」の製作に取り組んでいます。織物を通して見えてくる歴史や伝統の継承についてお話しします。(中日逐次通訳あり)
日時  :4月12日(日)14:30-16:00→延期(アーティスト来日時期未定のため)
会場  :展示棟ラウンジ
対象  :どなたでも
参加料等:無料、申込不要

◎キュレータートーク
本展覧会を企画した学芸員と一緒に、ギャラリー内で作品を鑑賞します。(企画:慶野結香(ACAC学芸員))
日時  :5月3日(日)14:30-15:30 →オンラインにて開催予定
会場  :展示棟ギャラリーA入口集合→ギャラリー内へ移動
対象  :どなたでも
参加料等:無料、申込不要→要申込(申込締切:5月1日(金))(定員20名)

◎碓井ゆいトーク
個人の視点を通して社会や女性として生きることを考えている碓井ゆいが、今回青森でリサーチを行った、地方における近代化や洋学の受容、女子教育、こぎん刺しなどについて、ゲストを交えながら、アーティストが感じたこと、考えたことについて話します。
日時  :6月21日(日)14:30-16:00
会場  :展示棟ラウンジ
対象  :どなたでも
参加料等:無料、申込不要→要申込(申込締切:6月19日(金))(定員20名)

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海外派遣事業―鈴木基真さんのブラジルレポート:美術紀行2週目

2020.3.11.水曜日

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前回チラッと紹介したブラジルの詩の文化を紹介したカタログをサンドラから借りました。
文字組やそこから派生するイメージなど面白いですが、ポルトガル語ならではの文化なので理解は少し難しいです。

3月4日:

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サンパウロ市内の見るべきエリアをなんとなく3つに分けて、この日は右下の赤丸のところに行ってみることにしました。そこはイビラプエラという大きな公園が有り、その中にいくつか美術館ん博物館があるのでまとめてみられる場所です。
1箇所目:Museu de Arte Contemporânea

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直訳すると現代美術館。
外観はうまく撮れず、、、。
なんだか病院みたいな作りの美術館でした。入場無料。空いてました。景観の良い屋上にはバーがあったりしてオープニングパーティーに使うのでしょうか。

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こちらがやっていた展示。
ほとんど準備中でしたが笑、近代~現代にかけてのコレクションを見ることができました。
それと、運営元が大学なのか、繰り返し同じ大学名が出てきます。USP

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作品かと思ってみてみたら、雨漏り?を受け止める為に置いたただの石の板でした。

サンドラ、アルバーノ、フィダルガに出入りしているding musaの作品もきっちりコレクションされてました。

展示をしていたHenrique oliveira という70年代生まれのアーティストは共通の知り合いがいたので後日スタジオ訪問をできることになりました。
彼の作品が展示されていたのは、ロビーのような踊り場のような場所でしたが、この建物、この様な踊り場みたいな空白の場所が沢山あり、これからもコレクションしてくよーという雰囲気がプンプンした。
トイレ前とかにラウシェンバーグの作品が有ったりする。

2箇所目:Fundação Bienal de São Paulo

この施設は様々な機関が入った複合施設です。ブラジル人アーティストを世界に出すための支援や実験の場として開放されています。展示予定を少し見たら、概ねパフォーマンス寄りのアーティストでした。
この日はximena garrido leccaというアーティストの展示でした。
ここは有名建築家のオスカーニーマイヤーが手掛けたものですが、それらしき場所は何かの準備中で入れず、、、。

3箇所目:MAM-Museu De Arte Moderna
直訳すると近代美術館です。残念ながら展示替え中で入れず!

4箇所目:Oca

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こちらもオスカーニーマイヤー作。何に使うかは不明。補修中でしたが入れました。
先住民の家を模した形になっています。

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こちらはocaの隣の劇場同じくオスカーニーマイヤー作
この人の建築は市内に多く見られます。作りとしてはかなりざっくりしていて使う人のアイデアが試される感じです。
5箇所目:Museu Afro Brasil

奴隷としてアフリカ大陸から連れてこられた人々の文化を展示した博物館です。いやーここすごい、、、。
展示物が乱雑に所狭しと置かれている、、、。展示されているというより置かれている、、、。トイレ前ギリギリまで物がある。秘宝館みたいな雰囲気すらある。その中に唐突に現代作家の作品が展示されていたりする(勿論アフロアメリカン系)
アフロアメリカンの文化ほど自分の感覚から離れたものはないのではないかと感じました。ほとんど考えていることが分からない、、、。サンパウロでもこの感覚を目にすることがあまりないので、独自路線をどこしらで展開しているのかもしれません。面白かったです。一番時間かけて観ました。

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ここでこの日は終了。公園内池にて小休止。その後帰宅。

3月6日:
前日歩きすぎて疲れたので1日休み、明けてこの日は滞在先に一番近いギャラリー街巡りをしました。
全て徒歩圏内!
1軒目:GALERIA MILLAN

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サンドラの所属するギャラリーです。でけー笑

この日はCriaturas Ornamentaisというペインターの展示。絵具もりもりです。空間に充満するオイルの匂い。どこでも同じ匂いでなんだか安心します。ドローイングは意外と繊細。

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ちなみに隣にはアネックス的なさらに大きいスペースが笑
残念ながら準備中。

2軒目:GALERIE BRESIL

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こちらは若手ギャラリー。日本にもありそうなサイズ感。
なぜかしまってました。昼休み中かな?

3軒目:FORTES D’ALOIA&GABRIEL

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こちらも最大手の一つ。そしてこのファサード、、、。

展示はLucia Lagunaというペインター。MASPにも作品がありました。
4軒目:GALERIA RAQUEL ARNAUD

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ここは老舗感があります。

richard serra, carlos cruz-diez、yves kleinの作品など。

別の階にも作品がゴロゴロ。どうやらコレクション展の様でした。

こちらのギャラリーは中庭があるところが多いです。そこでパーティーしたり、大きな彫刻を展示しています。
いいなあ

5軒目:BOLSA DE ARTE

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ここもとても良い空間でした。この近辺では一番好きかも。(唯一受付の女性が英語を話せたというのもある

Fabio Cardosoというペインターの展示。こっちも絵具盛ってますね。
すごく若々しい風景画に感じましたが、確か50年代生まれくらいのアーティストでした。
この日はこれでおしまいです。

3月7日:
この日はサンドラのインストールの進捗状況を確認しつつランチをしてきました。
サンドラの準備が整うまでおすすめのアーティストの図録を貸してもらいました。

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この2名。特に右の人は身体感覚と形が結びついていてビシビシ感じる物があります。

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こんな感じ。

さてITAUへ。

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アルバーノも参戦中

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本人も公言している北斎のイメージが全面に。ちなみに写っていませんが、北斎のオリジナルプリントも持ち込まれていました。

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フォントが可愛い

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円形の壁の中。アルバーノがドローイングを肩代わり。

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外ではアシスタントのウイリアムがドローイングを肩代わり。
この肩代わりシステムいいなあ。こっちのアーティストはみんな柔軟なんですよね。インストーラーもみんなアーティストだし、このITAUの事務局のスタッフもみんなアーティスト。
ちなみに私もちょっと記念に手伝ってきました。
あまり長居をしても邪魔になってしまうのでサンドラに教えてもらったロケーションを巡りつつ帰路につきます。

1、

ITAUの別フロアでは歴史建築展もやっていました。ブラジルは建築も活発の様です。日本では法律に触れそうなものばかりな気もしますが笑

2、

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教えてもらった公園内。原初の森が維持されているそう。ブラジルのアーティストはこの自然から造形感覚の影響を受けている人も多そう。
3、

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こちらはIMSというフィルム映画と写真専門の美術館。

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映画は好きですが言語の壁が大きすぎて難解でした。物語を読み込むメディアの宿命でもあるのかなと感じました。
この日はこれでおしまいです。

感想:
ブラジルの美術館はどこも導線がややこしい。ややこしいというか設定がされてない感じ。どこから入ってもいいし、どこから出てもいい様な。故にセキュリティー面は低い感じは否めないが、作品を探す楽しさがある。あと照明はどこも暗め。日本の展示空間が明るすぎるともいえる。バリアフリー化は日本より遥かに進歩している。
敢えてブラジル人作家を生まれた年代別に作品の雰囲気を見てみると、やはり欧米の美術の影響が如実に感じる。もともとヨーロッパとの結びつきは強いと思われるので、日本より更にストレートに取り入れられている印象を受ける。
60年代生まれは絵画に対するシュミレーションがよく見られるし、70年代生まれのアーティストは写真というメディアを主軸に置く感覚があるし、80年代生まれはメディア論を飛び越え、より身近で効率的な表現に行きついている。これは日本と共通する感覚と言ってもいいかもしれない。(というか世界中)
勿論時代に関係なく好き勝手にやっているアーティストもいる。これは世界どの地域でも同じだろう。
また個別によく観察すれば、ある部分ではブラジル土着の感覚はあるが、それが世界へ出たときにどの様に受け入れられるのかは気になるところ。大雑把にラテンアメリカの美術として括られてしまうのだろうか。
ここブラジルの様に美術の歴史をまとめてみることができると、昨今語られることの多い政治的、社会的な作品群も、美術の歴史の中では昔から一部に普通に存在した表現であり、これもまたある種の流行りなのかなとも思えてくる。
そう考えるとかれこれ50年近く新しい表現が生まれていないとも考えることができる。これからどのような発展を美術が果たすことができるかは、ローカル/グローバルとは何かを今一度考えるのが得策かもしれない。
アーティスト個人としてどう活動するかのヒントは、スケール感を持つこと。
これは作品サイズが大きいということではなくて、彫刻でも絵画でも建築でもデザインでもなんでもやること。
それが自分にとって正当性があるのであれば躊躇せず拡張していくということ。
そういったことをブラジルのアーティストたちを見ていると感じる。そしてそれぞれの活動を揶揄せずコミニティーを大切にすること。お互いに興味を持ち称賛しあっているのが素晴らしい。
学問としてより教養としてアートが成り立っているからだと思う。
日本でこれが出来れば窮屈さは感じなくなるだろう。
あと、やっぱり私、風景画が好きなんだなと実感しました。それには拘っていこうかなと考えております。

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海外派遣事業―鈴木基真さんのブラジルレポート:美術紀行1週目

*時系列でお伝えします

1日目:(到着当日)
朝到着後、昼まで寝てました。その後サンドラのスタジオで昼食後、スタジオの様子をみさせてもらいました。
ちょうど次のパブリックアートのプレゼンための模型作りをアシスタントに指示しているところでした。
意見を求められたので素直に精度が低いと伝えました笑(後日改善してました)
改めて日本の建築模型とその部材の出来の良さを痛感しました。
2日目:
サンドラに付き添って仕事をみさせてもらいました。
この日は次の展覧会会場のItau Culturalの視察とその為の広報用の映像とインタビューの撮影現場を拝見しました。
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ドローイング映像を撮影するサンドラ。緊張しています。紙を固定して描くのも初の試みとのこと。

(ACAC注:ここで撮影された動画はこちら!>>https://www.youtube.com/watch?v=ToIPfqN6lJ0

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円状の壁内にドローイングを描いていくとのこと。右側は使用する台座。なぜか一本だけ装飾が施されているが、本人は分からないとのこと。プロデューサーのアートじゃない?と言ってました。
この他にも広いフロアをもう一つ使う様で、興奮して「やべー!」とかいいながらハイタッチしました。可愛らしい人です。
サンドラの収録の合間にCasa Das Rosasを見学。

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こんな展示をしていました
詩とその世界を表現した展覧会の様で、それを芭蕉になぞらえて構成したものとなっている様です。
このジャンルの名前忘れてしまいましたが、言い回しや文字組などがかなり文脈化されており、ブラジルではても伝統的で重要なものの様です。後で資料集めたいと思います。
ちなみにこの古い館はフランス式のバラの庭が有名な様でしたが残念ながら1輪も咲いていませんでした。

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その横の銀行の建物の周りをデザインしたとても有名なアーティストも教えてもらいました。(名前覚えられず笑)
ポルトガルの伝統的な敷石と独創的なパターン、そこにブラジルの植生を組み合わせた作品になっていて特に植生はブラジルに5つくらいもある(海岸~山岳)植物の分布帯をうまく表現するものになっているそうです。
今庭に興味があるので萌えました笑
敷石はサンドラが次のパブリックアートのプランに使うそうです。

Itau Culturalに戻り、サンドラのインタビュー収録を待つ間、ここの常設展示であるブラジルの歴史展示を見学しました。
ここには膨大な量のブラジルの文化の組成資料が展示されていて、まずブラジルの文化を知るにはいい場所です。
ヨーロッパの国々が中世、どの様に植民地化を進めてきたのかが詳細な資料と共に展示されています。
ここでは主にポルトガルからもたらされた生活と、ネイティブインディオ達との関係が展示されており、その後のアフロアメリカンの奴隷政策や日本からの移民政策は展示されていません。(どこか別の場所で見たいです)

3日目:

川俣正展をしていました。割り箸を使った造形物。開発によって燃やされ続けているアマゾンの森に対する何某なのかなと笑
ここの施設のしつらえとういうか発信の在り方が完全に海外向けの輸出仕様でなんか笑えました。
この週、ブラジルにも新型肺炎が確認されたためか、ここにいるお客さん達はしきりと手や喉を消毒してました。完全に日本警戒されている模様
4日目:

今回の目玉、MASPに行ってきました。
世界3位とも言われる世界有数のコレクションがすごいです。
大戦時に割と平和だったブラジルの新聞王がヨーロッパ中から買い集めた有名どころを見ることができます。
奇抜なガラス板を壁とする奇抜な展示方法が目に付きます。
古代から現代まで1空間に並べられていて、とても見やすく美術の変遷を辿ることができます。
面白いのは1列中に必ずブラジル出身の画家や現代アーティストが入っているところ。モネやルノアールの横にあったりします。それ以前の宗教画の横にもブラジルで書かれた宗教画(キリスト教)があります。
そして唐突に古代の美術にインスパイアされた現代美術の作家が古代の列に作品展示していたりしています。
ブラジル美術を歴史に位置付ける戦略が垣間みえて力強いキュレーションだと思いました。
更に面白かったのは現代の列に入るとこの美術館の外観を描いたりしたコミッションワーク的なものも入ってきます。この場所を特別な場所としようという戦略さえ見えてきます。
現代に入るとここでもやはり政治的、社会的な作品が目立ちました。
私個人的には付随する美術的な文脈の最も希薄な壺などの陶器類が良かったです。風土や生活が最も色濃く反映されている気がしました。立体造形のヒントがここにあるかもしれないと強く思いました。

下の階ではGEGOというアーティストの展示、
更に下の階ではLEONOR ANTUNESというアーティスト、
更に更に下の階ではANNA BELLA GEIGERというブラジル現代美術界のコンセプチュアルアートの先駆者的な人の展示が行われていました。
ANNA BELLA GEIGERは人種の問題を通してブラジルの正体を浮き彫りにした様な作品を作る人だったので勉強になりました。
この3人は女性作家で、ブラジルでも今女性作家の再評価の動きが活発な様です。

5日目:

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INSTITUTO TOMIE OTAKEに行きました。
無料エリアでMARIANA PALMA
有料エリアで村上隆を開催中でした。

ここの展示ほんとーによかった。
どちらもちゃんと造形にこだわっている。MARIANA PALMAはブラジルの植物を通して自分のパーソナリティーを出しているし、村上さんは言わずもがな。村上さんは造形面でも以前より進化している。画面の凹凸を作り出して前後感を問う様な絵画の構造をフルに活用している。パネルの継ぎ目など、図は同じなのに塗りを変えたりして仕掛けがたくさんある。
アーティストらしき若者が絵を前にして描き方を激論していた笑。

ここまでの雑感:
日本を発つ前にスタジオメンバーにむけた自己紹介文を考えてきました。ここで何をしたいかまで含めて。
ですが、それは考え直さなければならないと感じ始めています、幸いスタジオメンバーが全員出張中なのでまだ自己紹介していませんので助かりました。
もう美術の定義なんて誰もできないと思っていましたが、想像を遥かに超えていた。もう美大で得た知識も、その後日本国内で培ってきた思考も全く役に立ちそうもないです(世界で評価されるには)。共通言語(美術史的な)ではもはや世界の美術は語れない様な気がします。超多層的な業界構造の中で各々がそれぞれの意思を表明
している状態とも言うべきか、、、。アーティストとしてはやりたい放題だからいい時代かもしれませんが、歴史化を考える立場の人は大変だーとか思ってみたり、、、。
ここ10年ぐらいで美術の状況も大きく変わりました。アーティスト側も気遅れしちゃいそうな状況なんですが、「選べ」ば良いんですよね。多分。自分のできることとできないこと、捨てられることと捨てられないこと。すみませんまだはっきりとは言葉にできませんが、、、。
川俣さんは日本的なことを捨て、どの国でも受け入れられる作品を作った。造形的には何も面白さを感じませんが笑
村上さんは日本的なものをどう世界に受け入れられるかを考えた。
国を意識するならそのような選択は明確にしていかなければなりません。
今のところ心に思っていることは、今の自分の美術の根幹となるのは西洋美術との相対で語られてきた日本美術であり、やはりそれが重要なことで、日本という場所は捨てられません。そしてその一部分として造形へのこだわりがあります。
そして、今後それを共通言語の要らない世界へ押し出すときに必要なのは、逆に意味も目的もない「形」として成立している状態を目指すことだと思っています。ただ存在だけがそこにある。
何もないところに火が立つ様な、
母親が電話をしながら広告の裏にかいた文様の様な、
そんな感じで作品を作れたらいいなと言うのが私の彫刻論です。難しいですが、、、。
と言うことで、リサーチだけの予定だけでしたが0から何かこそっと作ろうかなと思い始めました。
ビシビシ刺激を受ける毎日です!感謝です!
スタジオメンバーが戻ってきたらたくさん話しをしてみたいと思います!
ではまた!

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