賑々しき狭間

2019年10月26日(土)~12月8日(日)

人はまだ何もない狭間にあらゆる物を生み出してきました。見つけた退屈な隙間を埋めるように、野原に町が、それが広がり都市がうまれ、発展した社会では時間の隙間さえも埋められ繁栄を極めたかのように思えますが、その増幅する騒々しさに時に辟易させられています。
一方で、人は何もない狭間に価値を見出してきました。絵や文字の余白に心地よさを覚えたり、音の間隔によって音楽の抑揚を感じたり、行間を読むことによって文学の深みを受け取っています。つまり私たちは想像力/創造力によって、空虚にも見える狭間から賑やかさを受け取る術を持ち合わせているのです。
このプログラムでは、その術によって豊かな賑々しさを生み出し表現するアーティストと共に物事の狭間をのぞき込んでゆきます。

本展参加アーティスト
宇多村英恵(うたむら はなえ)、佐藤浩一(さとう こういち)、Elmo Dylan Kehinde Vermijs(エルモ・ディラン・ケヒンド・ヴァ―ミジス)、Mira Rizki Kurnia(ミラ・リズキ・クルニア)

artists

Mira Rizki KURNIA(ミラ・リズキ・クルニア)

インドネシア、バンドン生まれ。バンドン工科大学視覚芸術デザイン学部インターメディアアートスタジオ卒業。音が日常のありふれた出来事や文化を通して生成されることに注目し、空間における音響、人々の関係、遊びや市販されている日用品から着想を得て制作を行う。主な展覧会に、”XPLORE: New Media Art Incubation Exhibition” HONF、インドネシア・ジャカルタ(2018年)、”Internet of (No)Things: Ubiquitous Networking and Artistic Intervention” インドネシア・ネットオーディオ・フェスティバル、国際交流基金、ジョグジャ国立博物館、インドネシア、ジョグジャカルタ(2018年)など。  

《Denting Dalam Bising》

《Denting Dalam Bising》

佐藤浩一(さとう・こういち)

1990年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。人類学、植物学などから着想を得て、映像と音を中心としたインスタレーションを制作する。なかでも庭園や園芸へそそがれた欲望と植民地支配の歴史の関係に注目し、植物と人の交流の新たな物語を提示する。主な展覧会に「Crepuscular Gardens / 半開花の庭」資生堂ギャラリー、東京(2018年)、「第三風景」金沢21世紀美術館デザインギャラリー、石川(2019年)など。


《Muntant Variations - Ficus Brutalia》樹脂、2018年


《Muntant Variations - Ficus Brutalia》樹脂、2018年

宇多村英恵(うたむら・はなえ)

1980年茨城県生まれ、チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン修士課程修了。国や人種、異なる社会的立場を超え、個人と他者が対峙できる空間を生み出すことを目指して、自身も地球上の様々な場所に赴き、身体性を大切にしながらパフォーマンスや映像、インスタレーションを制作している。近年の主な個展に、「ナイアガラの落下」SOMAアートギャラリー、ドイツ、ベルリン(2018年)、「戦争と休日」資生堂ギャラリー、東京(2018年)など。本展覧会前まで、文化庁新進芸術家海外研修にてニューヨーク大学に研究員として所属。

1994年
会場風景より《 Holiday at War(戦争と休日)》2018年、撮影:加藤健


《Wiping the Sahara Desert(サハラ砂漠を拭う)》HDビデオ、2010年

Elmo VERMIJS(エルモ・フェアメイズ)

1982年オランダ、ティルブルフ生まれ。ヘリット・リートフェルト・アカデミー卒業。建築、デザイン、アートを横断しながら、地域と再生可能な生産プロセスの関係性に注目し、現代における素材の利用における新たな観点を提案する。主なプロジェクトに「100%Terschelling」オランダ、テルスヘリング(2012-2015年)、「Grounded」オランダ、テルスヘリング(2018年)など。


《Datsja》撮影: Gemma van Linden


《Grounded, Soundmirror》撮影: Elmo Vermijs

Anushka Rajendran(アヌシュカ・ラジェンドラン)

同時実施「キュレーター・イン・レジデンス」
インドにある、現代美術/美術家団体、khoj International Artist Associationの推薦を受けたインド人キュレーターのアヌシュカ・ラジェンドランが滞在し、青森県内を中心としたリサーチと学校訪問*を行います。
*青森県立青森中央高校美術系列で、10月にワークショップを開催予定

1988年生まれ、ニューデリー在住。キュレーター、ライター。ジャワハルラール・ネルー大学芸術・美学校博士課程に在籍中。近年の活動として、コチ・ムジリス・ビエンナーレ2018のアシスタントキュレーター、プラメヤ芸術財団(PRAF)のキュレーター(2019~)を務める。また、2016年にニューヨークのISCP(International Studio& Curatorial Program)、2015年にコロンボのシールサ国際アーティスト・コレクティブにレジデンスプログラムで滞在。2015年、インド出身の新進/中堅美術ライターとして「アート・スクライブス・アワード」を受賞。