未完の庭、満ちる動き

2018年7月28日(土)-9月9日(日)10:00 18:00、会期中無休、無料

人は暮らしの中で、会社や学校あるいは友人同士などの何らかのコミュニティに属し、国籍、性別、言語、政治、思想など様々なものを、意識的にも無意識的にも分類し、ルールや秩序を見出し、大きな枠組みとして捉える傾向があります。一つの個としては儚い生物である人間にとって、それらの枠は不動の存在に見え、ある時は拠り所となり、ある時は足かせともなります。しかし反対に、その大きな枠の内部に目を向けると、その実、内部は常に動き続け、その時々で枠が規定するものが変化していることに気付きます。そして内部の動きに気付くと、動かないと思い込んでいるその枠自体も動き続けていることが見え始め、あやふやな輪郭を持ち始めます。
アーティストはその作品制作の過程において、自分が身を置く環境をどう捉えるか、目の前のものをいかに見るか、自問しながら制作します。もしくは芸術というもの自体が、その定義を常に問い続けることで存在してきたものとも言えます。そうやって生まれる作品は、私達があると思い込む枠を取り払ったり、時には新たな枠を作ってみせて、私達が世界を見つめる視点を変換させる力を持ちます。
本展では、秩序やルール、構造などの枠組みとその内部、それらの動と不動に着目します。目の前の世界や既存の定義に問いを持ち制作を続ける国内外のアーティスト4組が青森で滞在制作した作品をどうぞご覧ください。

artists

堀川 すなお HORIKAWA Sunao

堀川すなおポートレイト

大阪生まれ。京都市立芸術大学美術研究科絵画専攻油画分野修了。私たちが持っている共通イメージへの疑問を主題として「”分かる”とは一体どういうことか」を探求している。触感や観察を通して分かる、またはその名前から思い浮かぶ記憶を聞き取り、それを元に描く微細な線で構成されるドローイングは、物の構造を展開するように日常の眼差しまで解体する。

[主な個展]
2015
「解釈と行為 SEEING AND PRACTICING」大阪府江之子島文化芸術創造センター[enoco]4階ルーム2、大阪
2013
「クリテリオム87 堀川すなお」水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室、茨城

[主なグループ展]
2018
「ポーラミュージアムアネックス展」ポーラミュージアムアネックス、東京
2017
「清流の国ぎふ芸術祭 ART AWRD IN THE CUBE 2017」岐阜県美術館、岐阜
「echo of the echoes」西武渋谷店B館8階 美術画廊・オルタナティブスペース、東京
2016
「京都精華大学卒業生ファイル2016 ―未来の問い」京都精華大学ギャラリーフロール、京都
2015
「Art Court Frontier 2015 #13」 Art Court Gallery, 大阪
「京銀コレクションの15年」 京都銀行 金融大学校 桂川キャンパス大ホール、京都
「群馬青年ビエンナーレ2015」 群馬県立近代美術館、群馬
2012
「VOCA展ー新しい平面の作家たち2012」上野の森美術館、東京

[参考画像]
《バナナ / 近い、(29)、女 #1》マイラーフィルム、青色鉛筆、727×9210mm、2015年

《GI-kd16、WD(日本語)-ana・m、SBnKB no.1-46》(部分)マイラーフィルム、青色鉛筆、サイズ可変、2016年

鈴木基真 SUZUKI Motomasa

portrait

1981年静岡県生まれ。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。幼い頃に見ていたアメリカ映画に影響を受け、平面のイメージを基に彫刻作品を制作する。独自のスケール感をもつ木彫作品に、高さのある台座を組み合わせて風景を生み出す作品を制作する他、近年は塑像を撮影しライトボックスに仕立てたシリーズ「ghost」を展開。

[主な個展]
2017
「MOD」LIXIL ギャラリー、東京
2016
「wall, roof, window 」Takuro Someya Contemporary Art、東京
「Honest Place」プラザノース、埼玉
2013
「Cinematic Orchestra」LIXIL ギャラリー、東京

[主なグループ展]
2017
「VOCA展2017 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」上野の森美術館、東京
2016
「めぐるりアート静岡」静岡県立美術館、静岡
2015
「sculpture」Hagiwara Projects、東京
2013
「瀬戸内国際芸術祭」小豆島16エリア、香川
2010
「群馬青年ビエンナーレ2010」群馬県立近代美術館、群馬
2008
「第11回岡本太郎現代芸術賞(TARO 賞)」川崎市岡本太郎記念美術館、神奈川

[参考画像]

ガブリエラ・マンガノ&シルヴァーナ・マンガノ Gabriella MANGANO & Silvana MANGANO

Gabriella Mangano Silvana Mangano

1972年 オーストラリア、スタンソープ生まれ。ビクトリア芸術大学卒業(両者とも)。双子の姉妹によるアーティストデュオとして、パフォーマンスを中心に活動している。自らの身体によって、物事にその単一的な意味や機能とは異なる動きを加え、物体、建物や風景といった空間、時間と身体との新たな関係性を提示する。

[主な個展]
2015
「Lux」Ramp Gallery、ハミルトン、ニュージーランド
2014-15
「Visible Structures」Dunedin Public Art Gallery、ダニーデン、ニュージーランド
2014
「OF OBJECTS OR SOUND」Anna Schwartz Gallery、シドニー、オーストラリア

[主なグループ展]
2018
「Figuratively Speaking」現代写真センター、メルボルン、オーストラリア
2017
「歴史を身体で書く」国立現代美術館(果川館)、果川市、韓国
「第9回恵比寿映像祭 マルチプルな未来」東京都写真美術館、東京
2016
「Sixth Sense」NAS Gallery, National Art School、シドニー、オーストラリア
「Video oediV」 Campbelltown Arts Centre、キャンベルタウン、オーストラリア
「Dancing Umbrellas: An Exhibition of movement and light」ハイディ近代美術館、ブリーン、オーストラリア
「Indeterminate States」William Wright Artists Projects、 シドニー、オーストラリア
「Light Moves: Contemporary Australian Video Art」Cairns Regional Gallery、ケアンズ、オーストラリア
2015-16
「第8回アジア・パシフィックトリエンナーレ」Gallery of Modern Art、ブリスベン、オーストラリア

[参考画像]

《Untitled》MUSEOラグペーパーにジークレープリント、22cmx 12xcm、2017年、Courtesy of the Artists and Anna Schwartz Gallery

《There is no there(そこにはない)》シングルチャンネル高精細度デジタルビデオ、16:9、白黒、音、2015年、Courtesy of the artists and Anna Schwartz Gallery

サヒル・ナイク Sahil NAIK

A10I0127 copy[1]

1991年インド、ゴア生まれ。マハラジャ・サヤジラオ大学美術学部彫刻学科修了。現代の政治的な状況を背景にした移ろいやすい時間や場所、もしくは強制的/自発的な移住の時代への興味を基に活動を行う。近年は、様々な素材を用いて精巧なミニチュアのような彫刻作品を中心に制作する。

顔写真撮影:Edric George

[主な展覧会]
2018
「グラウンド・ゼロ:目撃者としての場/証拠としての建築」Experimenter、コルカタ、インド
2016
「学生ビエンナーレ」コチ・ムズリス・ビエンナーレ、コチ、インド
「CIMAアワード受賞展」国際近代美術センター(CIMA)、コルカタ、インド
「バドダラ州文化遺産展」バロダ大学美術学科、バドダラ、インド
2015
「C.V.N国際美術展」C.V.N美術大学校舎、グジャラート、インド
「次元、試写」バロダ大学美術学科美術ギャラリー、バロダ、インド
2013–14
「ゴア州美術展(学生部門)」カラアカデミー、ゴア、インド

[参考画像]
《Portraits of Home / Exit Wounds(家の肖像/出口の傷)》(部分)、木、テラコッタブロック、陶製タイル、サンボード、35.56×21.59×30.48㎝、2017年、courtesy of the artist and Experimenter, Kolkata

《Lazaretto(隔離病棟)》(部分)、木、サンボード、波状シート、ガラス繊維、電流線、他、182.88×182.88×152.4cm、2017年、courtesy of the artist and Experimenter, Kolkata

þÿ

主催:青森公立大学国際芸術センター青森
協力:Khoj International Artists’ Association、青森市立南中学校美術部、青森市立筒井中学校美術部、青森県立青森若葉養護学校、青森公立大学芸術サークル、AIRS
助成:平成30年度文化庁アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業