この現実のむこうに―Here and Beyond

10月28日(土)-12月10日(日)10:00-18:00 会期中無休/無料

作品は全く何もないところから生み出されるのではなく、多かれ少なかれ現実世界から手がかりや影響を受け、それらを見つめた先に作り出されます。生まれ来る作品世界は虚構や空想ではなく、現実を越えた奥にある現実、もうひとつの現実であると解することができます。

現実は社会の共通認識として成り立っている一方で必ずしも同一とはいえず、人によって見え方も捉え方も異なる不確かなものであり、アーティストはそこから何をどう切り取るのかが作品を展開していく重要な要素となります。また、鑑賞者は作品を前に、個人の経験などをもとに認識し想像力を広げます。目に見えて明瞭でありながらも曖昧な現実から生まれる作品は、見る者が他者と事物を共有し分かち合うための術(すべ)ともなるでしょう。

今回はその現実と、作品によって生み出されるもうひとつの現実との関わりを考えていきます。私たちの目の前にある現実をもとにしながらも、地域の人々をはじめ、鑑賞者を作品世界に惹き込み新たな思考、発見など様々なメッセージを投げかける内容のプログラムを目指します。

artists

潘 逸舟

プロフィール

1987年上海生まれ、9歳の時に青森県に移住。東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。アイデンティティの探求や自身の経験を背景に、現実でありながらフィクションのような映像作品を制作している。誰もが共通しうる身体性を用いて表現される「物語」は、社会そのものや社会と個人の関係を問いかける。

近年の主な展覧会
2017年「The Drifting Thinker」MoCAパビリオン、上海、中国
2016年「Sights and Sounds: Highlights」ジューイッシュミュージアム、NY、アメリカ
2015年「In the Wake - Japanese Photographers Respond to 3/11」ボストン美術館、マサチューセッツ、アメリカ


《海で考える人》映像、2016年


《人間が領土になるとき》ライトジェットプリント、4枚組、2016年

本山 ゆかり

ポートレート

1992年愛知県生まれ、京都市立芸術大学大学院美術研究科 修士課程油画専攻修了。一貫して絵画を追求する。描かれる対象物に対する主観や情報を排除した最低限の要素に迫る実験的な表現方法を取り入れながら、絵画における地と図の関係や「描く」という行為自体に向き合う。

近年の主な展覧会
2017年「裏声で歌へ」車屋美術館、栃木
2016年「奈良・町家の芸術祭 はならぁと」高取土佐町並み、奈良
2015年「SUPER FUNCTION」YEBISU ART LABO、愛知


《画用紙(果物かご)》アクリル板、アクリル、2017年


《画用紙(太陽と月、二人)》アクリル板、アクリル、2017年

アン・スークーン

Ang_Photo

1977年シンガポール生まれ、スクール・オブ・ビジュアル・アーツ(NY)卒業。実体のない物事と合理的な世界を併存させながら、社会に起こる一時的な出来事に呼応する作品を制作する。映像や彫刻など様々な媒体を用いて、多様に認識可能な物語性を提示する。

近年の主な展覧会
2016年「EVEREST」Objectifs、シンガポール
2014年「Inside」パレ・ド・トーキョー、パリ、フランス
2013年「シンガポール・ビエンナーレ2013: If the World Changed」シンガポール


《現在時制シリーズ》インスタレーション、アルミニウムにインクジェットプリント、Objectifs (シンガポール)での展示、2016年


《4PM》ビデオインスタレーション、液晶ディスプレイ、2016年

クレマンス・ショケ&ミカエル・ガミオ

icon

フランス出身のクレマンス・ショケ(1987年生まれ)とミカエル・ガミオ(1986年生まれ)によるアーティストデュオ。ある特定の場所の科学的な理論や最新技術、また神話や信仰を含めた現実的背景をもとに、インスタレーションや写真、映像作品を制作する。場における身体性、歴史、建築空間の相互作用を試みる。

近年の主なレジデンス・プログラム
2017年1月 トーキョーワンダーサイト二国間交流事業プログラム(招聘)、東京、日本

近年の主な展覧会
2016年「vacance」Chapelle Saint-Quirin、セレスタ、フランス
2015年「Dénis de réalité」FabrikCulture、ヘーゲンハイム、フランス


《スライス(どですかでん)》映像、2017年


《Concrete solution (fortune)》 (コンクリートによる実践的解決法 (運命または多額の資金))  写真、ワーク・イン・プログレス、2017年

ラーキー・ペスワニ

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1977年インド、ニューデリー生まれ。マハラジャ・サヤジラオ大学大学院(バローダ、インド)修了。クラフトに関連する素材や過程を用いて、テクノロジーと身体との相互作用を表す。近代以前のクラフトとテクノロジーにおける継続と決裂の理解を必要とする現代社会に焦点をあてる。

近年の主な展覧会
2016年「Trans-from feminism to alternative perspectives」Korean Cultural Centre、ニューデリー、インド
2015年「In Continuum」Vadehra Art Gallery、ニューデリー、インド
2013年「Fruits of Labor (a Monument to Exhaustion)」、 Zehjiang Art Museum、杭州市、中国

《労働者の実(消耗のモニュメント)》Zhejiang Art Museum(中国)での展示、2013年

《予見者の考察(見ることの5つの習作)》キャラココットンに刺繍、鏡、2015年(一部)

sSM-4文化庁シンボルマーク文字ありPDF-60x701[1]

主催:青森公立大学国際芸術センター青森

助成:平成29年度 文化庁 アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業

協力:Khoj International Artists’ Association、AIRS