passage 永遠の一日

2015年7月25日(土)~9月13日(日)10:00-18:00/会期中無休・入場無料

日常からふと目をそらすと、私たちの生が個々の一瞬一瞬の実感の内だけにあるのではなく、人類の歴史ともいうべき連綿と続く長い時間の上にあることにしばしば気付かされます。同じように芸術作品も、芸術家一人の人生のみならず、それをはるかに超えた悠久の時間と刹那の実感が交差するところに生まれ出るといえるかもしれません。一方で儚い人間の個人的な内側から生まれ出たものが普遍性を内包し、時代を超え、地域を超えてその価値を示し続けることもあるでしょう。作品に内包された連続する時間は、過去から現在、そして未来へと続き、目の前にある作品は、完成していながら、同時に変化・変更の兆しを秘めています。芸術作品との出会いが生涯に渡って刻まれる驚くべき一瞬となり得るのは、こうした変化し続ける価値を鑑賞者が自らの実感と永遠の内に発見するからかもしれません。

制作と発表が時間的にも空間的にも近接している国際芸術センター青森(ACAC)のアーティスト・イン・レジデンス(AIR)では、しばしばアーティストの日々の継続的な制作が思いがけない邂逅や瞬発的な飛躍によって展開し、作品として現れる場面を目にします。アーティストが意図するにせよしないにせよ、制作の痕跡が残る作品は、美術館での作品との出会い以上にその背後に横たわる制作の時間に目を向けさせることでしょう。

本展のタイトルはギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロスの「永遠と一日」から引用しています。過去から現在、そして未来へと続く連続する時間の痕跡を内包し、過ぎた時空間と現在を結合し、未来の価値につなげようとする4人のアーティストたちの滞在制作による作品をぜひご覧ください。

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artists

サンドラ・シント

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繊細で複雑なドローイングで、星や雪の結晶といった自然物を象徴的に描く。これらのドローイングは、しばしば展示される場所の空間を生かしたインスタレーションとして制作され、見るものを包み込み、沈思へ導く静謐な空間を創り出す。

1968 ブラジル、サントアンドレ生まれ
サントアンドレ市テレザ・ダヴィラ大学美術学部卒業

展覧会
2014 「La Otra Orilla」CAAM Centro Atlantico de Arte Moderno、マドリッド/スペイン
2012 「Encounter With Waters」シアトル美術館、オリンピック彫刻パビリオン、シアトル/USA
2010 「Water Imitation」トミエオオタケインスティテュート、サンパウロ/ブラジル
2008 「Blooming: ブラジル-日本 きみのいるところ」豊田市美術館、愛知
2007 「The Difficult Crossing (Apres Gericault)」MACUF 現代美術博物館、ラ・コルーニャ/スペイン
2003 「Wall Project」サンパウロ近代美術館/ Bracand Museu de Arte da Pampulha、ベロオリゾンテ/ブラジル

imitation of water_sサンドラ・シント《Imitation of water》、 Institute Tomio Ohtake での展示、油性ペン、2010年
photo: Everton BALLARDIN

untitle2012_sサンドラ・シント《無題》、油性ペン、アクリル/キャンバス、2012年
photo: Ding MUSA

風間 サチコ

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現代の社会的な問題をテーマとし、壮大な歴史絵巻のような木版画を制作する。現代的なモチーフが描かれた作品は、木版特有のテクスチャーと黒の色彩が強い印象を与える時代的かつ表現主義的な画面により、記念碑的に過去の時間と連結され、来るべき未来を予見させる。

1972 東京都生まれ
1996 武蔵野美術学園版画研究科修了

展覧会
2015 「Translation Theme Park」Uppsala konstmuseum、プサラ/スウェーデン
2014 「We can make another future: Japanese art after 1989」Gallery of Modern Art、ブリスベン/オーストラリア
2014 「魅惑のニッポン木版画」横浜美術館、神奈川
2013 「六本木クロッシングーアウト・オブ・ダウト」森美術館、東京
2013 「Edo Pop: The Graphic Impact of Japanese Prints」Japan Society Gallery、ニューヨーク/アメリカ
2012 「Art and Air ~空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語」青森県立美術館、青森

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風間サチコ《噫!怒涛の閉塞艦》木版画(パネル、和紙、墨)、2012年
© Sachiko Kazama 写真提供=無人島プロダクション

六本木クロッシング2013 アウト・オブ・ダウト展
風間サチコ《人外交差点》木版画(パネル、和紙、油性インク)、2013年
© Sachiko Kazama 写真提供=無人島プロダクション

永岡 大輔

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記憶と身体との関係性を見つめ続けながら、創造の瞬間を捉える実験的なドローイングや、鉛筆の線画を早回ししたアニメーション作品を制作する。しばしば制作の痕跡が意図的に残される作品は作者の記憶ばかりではなく、失われた時間の痕跡としての余韻を空間にもたらす。

1973 山形県生まれ
2003 ウィンブルドン・スクールオブアーツ(現ロンドン芸術大学ウィンブルドンカレッジ)芸術修士修了

展覧会
2014 「Alterspace-変化する、仮設のアート・スペース」アサヒ・アートスクエア、東京
2013 「川崎の美術 響きあうアート」川崎市市民ミュージアム、神奈川
2012 「VOCA2012」上野の森美術館、東京
2012   「Reconstellation」hpgrp Gallery Tokyo、東京
2012   「ロッテルダム国際フィルムフェスティヴァル」アムステルダム/オランダ
2010 「Phase Transition of the Story」Project Fulfill Art Space、台北/台湾

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永岡大輔《New Cities》2011年 ©Tokyo Wonder Site

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永岡大輔《バス停 森 最も古い記憶》インスタレーション、hpgrp gallery Tokyoでの展示、2011年  photo: TANAKA Kei

ギル・イェフマン

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主に様々な素材によるカギ編みの技法を使った作品を制作する。作品および制作を通じ、個人的あるいは集団的なトラウマについて深く考える手段として、編むという行為の治癒的な価値に着目し、同時に人間社会において繰り返し現れる強迫的な文様について考察する。

1979 イスラエル、ハイファ生まれ
2003 国立ベツァルエル美術デザイン学院(イスラエル)卒業

展覧会
2014 「Bay Mir Bistu Sheyn (To Me You Are Beautiful)」Ronald Feldman Fine Art、ニューヨーク/USA
2013 「Alterity」Cultural Espace Louis Vuitton、パリ/フランス
2013  「About Stupidity」ペタク・チクヴァ美術館/イスラエル
2012  「Galicia Mon Amour: Folly, Fantasy and Phantasm」、Sokol Gallery、ノヴィ・ソンチ/ポーランド
2011 「Body Without Body」Georg Kolbe Museum、ベルリン/ドイツ

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ギル・イェフマン《タムタム》、2012年

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ギル・イェフマン《目と歯》2012年

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主催:青森公立大学 国際芸術センター青森[ACAC]
助成:平成27年度文化庁文化芸術の海外発信拠点形成事業
協力:イスラエル大使館、Mujinto Production、AIRS、ACAC学生サポーター、青森公立大学芸術サークル
後援:イスラエル大使館