言語と空間vol.1 鈴木ヒラク「かなたの記号」

2015年4月18日(土)~5月17日(日)10:00-18:00/会期中無休・入場無料

言語と空間
青森公立大学国際芸術センター青森[ACAC]では、様々な領域を横断しながらも一貫して「ドローイング」という根源的かつ未来的な思考と表現を探求している鈴木ヒラクと、音のかけらを無数の場所に散りばめ独自のスコアを生み出すことで広範な「作曲」活動を展開する蓮沼執太による、連続する2つの個展シリーズ「言語と空間」を開催します。本展において鈴木は、描くことの起源と光の関係性に焦点を当てながら、自身の身体行為による既存の記号の解体と再構成を通して、新たな言語が発生する瞬間の創出を試みます。一方で、蓮沼は人や物質など音を生む多種多様な要素をすべて取り込み、館内のみならず屋外にも作品を展開し、時間や空間を異なった次元に昇華させるような独自の音楽環境を作曲行為により生成します。森に囲まれたACACの静謐な建築空間において、各作家の創造の本質に触れてみてください。

言語と空間 vol.1
鈴木ヒラク「かなたの記号」
2015年4月18日(土)~5月17日(日)10:00-18:00
会期中無休・入場無料
国際芸術センター青森 ギャラリーA、B

【関連イベント】
鈴木ヒラク ライブドローイング&トーク
2015年5月3日(日) 14:00 -16:00 /無料
鈴木ヒラクが展覧会場にてライブドローイングを実施します。また、終了後には休憩を挟んで、鈴木の活動と「ドローイング」についてのトークを開催します。ぜひご来場ください。
会場:ギャラリーAほか

ギャラリーツアー
2015年5月9日(土) 14 :30-15:30 /無料
学芸員と一緒に展覧会を鑑賞します。

暗号ツアー
4月26日[日] 14 :30 -16:30 /無料
お喋りしたり文章を書いたり、色々な方法を試しながら展覧会の楽しみ方を見つけます。最後には特製鑑賞ガイドにまとめます。

※イベントは申込不要です。直接会場においでください。

 

>>プレスリリースはこちら

【作家ステイトメント】
ドローイングは、絵とことばの間にある。かつて、“描く”と”書く”は未分化であった。古代人は、いわゆる言語を使い始めるずっと前に、そこら辺に転がっている石や、洞窟の壁や、マンモスの牙に、天体のリズムを刻んだ。人間はそうして記号を発明し、文字や言語を生み出すことによって、常に未知なるものとして目の前に立ち現れてくる世界の中に自らを位置づけ、世界を研究し、世界と関わり合いながら生き延びてきた。いまここを生きる私たちは、既存の言語の概念だけで、この世界の新しい時間と空間の広がりの中で起こっていることを充分に理解し、未来を指し示すことはできるだろうか。

僕の方法論は、この現在進行形の世界に対応した、もうひとつ別の考古学としてドローイングをとらえてみることだ。まず既に遍在している亀裂から世界に入り込み、世界を点と線に解体することからはじまる。

例えば路上にゆらぐ木漏れ日の形や、アスファルトの白線の欠片や、葉脈のカーブ、読めない数式、グラフィティ、肌に浮いた血管、ビルの輪郭、中国の棚田の地形、地下道での靴音の響き方、獣道、レコードの溝、熱帯植物の枝振り、車のヘッドライトの残像、SF映画のシーンに一瞬映る看板に描かれた架空の会社のロゴマーク、飛んでいる蚊が空間に描く軌跡。
そこにある点と線をよく見る。反対側からも見る。そしてなぞる。身体を使う。再配置する。何か現象を起こす。繰り返す。

こうして、解体された世界の欠片をつないで、新たな線を生む。この線は、”いまここ”と”いつかどこか”を接続する回路となる。その回路を行ったり来たりするのは、絵でもことばでもない、ただの記号である。このただの記号を、変化し続ける現在において発掘すること。僕の仕事は、離ればなれになってしまった”描く”と”書く”のあいだの闇、そのかなたに明滅する光の記号を見いだし、獲得し続けることである。
鈴木ヒラク

artists

鈴木ヒラク (すずき・ひらく)

01

1978年生まれ。“描く”という行為を主題に、平面・インスタレーション・壁画・映像・パフォーマンス・彫刻など多岐にわたる制作を展開。時間や空間の生成と変容の方法として、ドローイングの領域を拡張し続けている。様々な音楽家とのセッションによるライブドローイング、アニエス・ベーやコム・デ・ギャルソンとのコラボレーションも行っている。著書に『GENGA』、『鉱物探し』。 http://hirakusuzuki.com/

[主な個展]
2013年 「Excavated Reverberations」Daiwa Foundation、ロンドン、イギリス
2011年 「Glyphs of the Light」WIMBLEDON space、ロンドン、イギリス
2010年 「GENGA and Recent Drawings」Galerie du Jour、パリ、フランス
[主なグループ展]
2013年『ソンエリュミエール、そして叡智』金沢21世紀美術館(石川)

【参考作品画像】

《GENZO #29》2014
75x55cm、紙にシルバースプレー、シルバーインク


《circuit #5》2014
114x114cm、紙にシルバーインク


《道路(網膜)》2013
600x240cm、反射板、木製パネル
霧島アートの森(鹿児島)での展示風景/撮影:森本美絵

アーティストポートレイト
撮影:神宮巨樹

主催:青森公立大学国際芸術センター青森[ACAC]