「再考現学 / Re-Modernologio」 phase1 : 衣食住から社会をまなざす

2011年7月23日(土)~ 9月19日(月)10:00 - 18:00/無料

「考現学」を脱構築。 日常生活の拡張としての芸術をアーティストの活動を通じて再発見する。

今年度ACACでは青森県出身の建築家今和次郎が提唱した 「考現学」をキーワードに、現代の社会構造や生活文化、地域の日常生活と芸術の関係のあり方をアーティストの創作活動を通じて探求し再考する展覧会『再考現学』を2011年7~9月、10~12月、2012年1~3月の3期に分けて開催いたします。今和次郎は関東大震災で焼け野原となった東京の平原に立ち上がったバラック建築に触発されて、ドローイングを用いた独自のフィールドワークを展開していき、後に現在の社会の状況を描出する手法として「考現学」を提唱し、実践していきました。現代美術をフィールドとするアーティストの多くは、私たちの日々の生活と密接に関わるものを素材とし、社会に問題提起をするように作品を制作しています。彼らは常に自身をとりまく環境を注意深く観察し、そのなかで様々な情報を収集整理し咀嚼したうえで、最終的に作品という形式で活動を展開していきます。 第1期となる[phase1]では、「衣食住から社会をまなざす」というテーマのもと、身にまとう衣服を素材とし「装いの行為とコミュニケーションの関係性」を探求するように市民との協働により制作活動を実践してきた西尾美也、普段の生活の中であまり顧みられる事のないモノや行為、それらに付随する意味や価値観など日常の諸要素を音の体験という観点から読み替え、組み替える事を試みてきたmamoru、そして人の痕跡が残り記憶が詰め込まれた古書やその時代の時事問題などを伝える雑誌などのあらゆる書物を解体/再編集し、新たな彫刻作品として再構築する飯田竜太の3名を招聘し、滞在制作展覧会を開催いたします。 大震災の発生により様々な問題に直面し、当たり前に過ごしてきた日常を再考しなければならなくなった現在の状況において、衣食住という生活の基盤をいま一度真摯に捉えなおしてみたいと思います。本事業では、アーティストの滞在制作活動を通じて、私たちの日常生活に潜むささやかだけれども豊かな創造性を描 出し、芸術文化という観点から築く多様な価値観を内包することができる社会や生活像について熟考します。 ※「考現学」とは:青森県出身の 建築家今和次郎(1888-1973)が提唱した学問。現代の社 会現象を場所・時間を定めて一斉に調査・研究し、世相や風俗を分析・解説しようとする学問。ドローイングを用いたフィールドワークを特徴とし、のちの生活 学や風俗研究の先鞭となった。

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飯田竜太 (IIDA Ryuta)

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1981年静岡県出身。2004年日本大学芸術学部美術学科 彫刻コース卒。現在青森県八戸市在住。2009年より八戸短期大学常勤講師を勤める。自ら古書・貴重本の収集を行い、それを「彫る」ことで作品を表現する。2004年にグラフィック一坪展にてグランプリ受賞。以降も graf media gm での個展、岡本太郎現代芸術賞展、所沢ビエンナーレなど着実に活動を続ける。2010年には台湾の大規模アートフェス「VERY FUN PARK」に参加、注目を集める。国内でもComme de Garcon(コム・デ・ギャルソン)とAi WeieiのDMシリーズに作品が採用され、また新潮社出版にてトマス・ピンチョン全集発行に際し処女作「v.」の表紙を制作するなど、評価を得ている。 http://www.ryuta-iida.com/

西尾美也 (NISHIO Yoshinari)

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1982年奈良県生まれ。2011年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。美術博士。現在は東京とナイロビを拠点に活動する。 装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目し、市民や学生との協働によるプロジェクトを国内外で展開している。代表的なプロジェクトに、世界のさまざまな都市で見ず知らずの通行人と衣服を交換する《Self Select》や、数十年前の家族写真を同じ場所、装い、メンバーで再現制作する《家族の制服》、世界各地の巨大な喪失物を古着のパッチワークで再建する 《Overall》、「言葉」からイメージした「形」を古着で作る《ことばのかたち工房》などがある。また、2009年に西尾工作所ナイロビ支部を設け、 アフリカでのオルタナティブなアートプロジェクトに着手している。2011年9月から文化庁芸術家在外研究員としてケニアのナイロビに2年間滞在予定。
http://yoshinarinishio.net/
http://www.nairobi-artproject.jp/

mamoru (OKUNO Mamoru)

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1977年生まれ。大学卒業後、自作の音具や音響機材を用い て、間や、空間性を強く意識した様々な「響き」を即興的に組み上げてゆくサウンドパフォーマンスや、複数の独立した音源を複数のスピーカーを用い空間的に 音像を造作するマルチソース・マルチチャンネル型のインスタレーション作品などを国内外のギャラリー、美術館、その他の場所で発表。 近年は、日常品から得られる音、日常行為をもともとの用途から読み替える事で作品を生み出す「etude」 シリーズを主に展開中。2008年にモントリオール、ニューヨーク、大阪、東京でのパフォー マンスに加え、ケベック/カナダにてレジデンス、個展、パフォーマンス、レクチャーを、2009年はクレムス、ウィーン/オーストリア、レイデン/オラン ダにてワークショップ、展示、音楽フェス、アートフェスなどに参加。2011 年2月のACACワークショップシリーズ【日常の実践】では招聘アーティストとしてパフォーマンス&ワークショップ「etude for everyday life / 日常のための練習曲」を実施し、参加者とともに青森で発見した素材を用いて即興的に新たなetude作品をつくりだす試みを実践した。
http://www.afewnotes.com/

主催:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)
協力:西尾工作所、八戸短期大学、Takuro Someya Contemporary Art、YUKA TSURUNO、株式会社黄金工務店、ナンデモヤ、ホテル山上、Midori Art Center(MAC)、市民スタッフのみなさん、ACAC学生サポーター、AIRS