吃驚 BIKKURI

2010年10月23日(土)~11月21日(日)

 喫驚(びっくり): 意外なことにおどろくこと。

「哲学は驚きに始まる」というプラトン、アリストテレスの言葉を引き合いに出すまでもなく、何かについて疑問に思ったり、探求したりする原動力は、驚きからやってくるといえるでしょう。アーティストが素材と出会ったとき、偶然性が作品の中に取り入れられるとき、作品として何かが形となるとき、そこにはさまざまな驚きがあるはずです。そして、作品を見る側にとっても、アーティストが提示するさまざまなまなざしや切り口は、安定していた世界を揺さぶる驚きのまなざしでもあります。それはひっくり返るほど驚くことではなく、ちょっとした驚きであるとしても、じわじわと社会に広がっていくような驚きの種なのではないでしょうか。2010年の秋のアーティスト・イン・レジデンスでは、この小さな「驚き」についての考察から出発します。

artists

Angie ATMADJAJA(アンジー・アトマジャヤ)

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1976年インドネシア・ジャカルタ生まれ、イギリス在住。英国王立音楽院、ヨーク大学ミュージック・テクノロジー修了、ヨーク大学博士課程在籍中。音響心理学/音響学の現象を視覚と聴覚を刺激するような作品によって探求する。一方ガムランの演奏グループにも所属し、その作品はアジアの伝統とヨーロッパのコンテンポラリーの両方に根差す。アクラム・カーン、ウィリアム・フォーサイスなど振付師との共作も多数。

 

≪構造 [中心]≫、3つの注意深くバランスを取られた正弦波をゼロポイントで交わるところでつなげたサウンドインスタレーション、2010年。

SONG Sanghee(ソン・サンヒ)

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1970年韓国・ソウル市生まれ、オランダ在住。1994年梨花女子大学修了。女性の視点から韓国の神話、宗教、集団的記憶や歴史について問いかける作品を得意としていたが、近年は、世界の歴史や事件を別のコンテクストから再読し提示する作品を制作している。「グローバル・フェミニズム」、ブルックリン美術館、NY/USA(2007年)、「ペパーミント・キャンディー:韓国現代美術」展、国立現代美術館、韓国(2009年)ほか。

 

≪息子を亡くしたピエタ≫、C-プリント、2002年。

 

狩野 哲郎(かのう・てつろう)

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1980年宮城県生まれ、東京都在住。2007年東京造形大学造形研究科修了。都市、郊外、自然などのすべての既存環境を身近な既製品によって作品として再構成するとともに、植物や鳥の視点を借りて観察することにより、既存の環境の価値を捉えなおす。「Seoksu Art Project2010」安養市/韓国、「NEO-TOPIA」秋吉台国際芸術村(2010年)、「第10回岡本太郎現代美術賞展」川崎市岡本太郎美術館(2007年)ほか。

≪自然の設計/Naturplan≫、インスタレーション/ミクストメディア(種子、果実、鳥、水、園芸/農業/飼育用品など)、2010年。

津田 道子(つだ・みちこ)

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1980年神奈川県生まれ、在住。2002年筑波大学工学システム学類卒業、2008年東京芸術大学映像研究科修了、現在同研究科博士課程在学中。技術に対する批判を根底に、すでにある技術を道具ではなく、使う人に働きかけるような道具以上の何かになるような形を作品によって提案する。「Re:Membering」、ギャラリーループ/ドゥサン・アート・ギャラリー、韓国(2009年)、「ヨコハマ国際映像祭2009」(2009年)ほか。

≪Yeu & Mo≫、ビデオ、2008年。

山本 聖子(やまもと・せいこ)

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1981年大阪府生まれ、在住。2006年京都造形芸術大学芸術研究科修了。美しく区画整理されたニュータウンを支配する独特の均質的な感覚を、そぎ落とした情報としての間取り図と重ね、これらを使って作品を制作する。区画整理や間取り図が示す均質化された空間と、そこに住む人間のリアリティのズレを作品化する。

≪the empty view--uniform≫、広告間取り図、ラミネートフィルム、2009年。

主催:青森公立大学国際芸術センター青森