■ 2010年 春夏のアーティスト・イン・レジデンス(AIR)プログラムのお知らせ
 
 
 Artist in Residence 2010: Platform 2
 
     
 

 

プログラムデータ |  参加アーティストと作品 |  交流プログラム |  NOW on A.I.R.


 

 国、民族、環境、社会、性、自己と他者・・・私たちが属する社会の中で面するさまざまな枠組や物事。それらとの関わりの中から新しい関係性や未来を切り開こうとするアーティスト3名によるAIRプログラムを開催します。学生時代から現在に至るまでさまざまな場や人々を共有してきた3名が、三人三様の滞在制作を行いながら、各々の生活や表現活動をめぐる関係の連鎖、「ツナガルシクミ(繋がる仕組み)」を視覚化し、それらの意味や価値とは何かを考え、深める試みを行います。

鹿児島甲南高校美術部発→
京都市立芸術大学 バレー部・演劇部・日本美術経由→
青森行きの切符14枚

藤、小山田、高嶺の3名のアーティストは、世代は少し違うが、同じ高校の美術部から始まり、大学、バレーボール部、劇団と、場・時間・人の多くを共有してきたという濃密な関係性がある。そのことは、それぞれの眼差し、振る舞いに影響を与え合ったこと当然で、後追いでわかったこの事実に大いにに興味を抱いた。それぞれが独立したアーティストとして個々に注目すべき活動を行っている現在、青森をベースに再び活動を共にすることで、きっと何か面白いことが起こるのではないか、と。また、鹿児島と青森の地形、言葉についての類似にも気がついた。日本地図を逆さまにすると、九州最南と本州最北にある両県は同じような形をしているし、方言のイントネーションもどことなく似ているではないか。少々こじつけの強い解釈かもしれないが、その関係の連鎖の在り方は、ここで起きる出来事への予感を誘うものであった。私たちは誰と暮らし、過ごしてきたかにより、個々の視点や価値観が変化していくことを日常的に経験している。この夏、彼らを通してみえてくる「ツナガルシクミ」は、どのような視点と価値の変化を、私たちにもたらすのだろうか。
(青森公立大学 国際芸術センター青森|学芸員|日沼禎子)

 

 

【関連イベント 】

◎オープニング/アーティストトーク<ツナガルシクミ> (終了しました)
8月7日(土) 
13:30〜 
展示棟ラウンジ(申込み不要。直接会場にお越しください。)
アーティスト:藤浩志、小山田徹、高嶺格
モデレーター:森司(東京アートポイント計画 ディレクター)

◎デッサン&ドローイング教室 (終了しました)
8月14日(土)10:00〜17:00 
場所:創作棟ワークショップスタジオ
講師:藤浩志、小山田徹、高嶺格
参加費:300円(要申込/定員30名)
ものをつくる基本は、描くことから始まるといっても過言ではありません。鉛筆を手にとって描くことの喜び、楽しさを再発見します。こども、学生、おとな、経験の有無を問わず、お気軽にご参加ください。

◎柴洋・おさいほう教室<青森の民芸と出会う>
1回目:8月15日(日)10:00〜12:00(こぎん刺し入門)
2回目:8月29日(日)10:00〜12:00(こぎん刺し応用 がまぐちに仕立てる)
※全二回(一回参加も可)
講師:柴田美穂子(柴田洋裁教室院長)
低学年以下は保護者同伴でお願いします。
参加費:一回600円(要申込/定員20名)
青森の民芸である「こぎん刺し」をベースにした、ガマ口づくりに挑戦します。

◎柴洋・お料理教室<青森と鹿児島のおふくろの味と出会う> (終了しました)
8月22日(日) 10:00〜14:00(食事会込) 宿泊棟ダイニング
講師:柴田美穂子(柴田洋裁教室院長)
参加費:1000円(要申込/定員20名)
青森と鹿児島の郷土料理である「けのしる」と「ごじる」をつくり比べてみます。

◎飛ぶ教室@青森編
展示棟ギャラリー小山田の展示作品である「小屋」を、持ち運び・移動可能な教室「飛ぶ教室」とみたてたレクチャーやイベントを開催します。

「サウンドスケープ」8月28日(土)19:00〜
ゲスト:鶴林万平/サウンド・エンジニア、サウンドアーティスト
鶴林による自作12面体スピーカーを用い、作品空間と響き合う音の空間を体感するライブイベント。

「風土を愛でる」 9月4日(土)14:00〜
ゲスト:山田創平/文学博士・都市社会学

◎≪S/N≫上映会+トーク
9月5日(日)13:30〜 ACAC講義室
トーカー:藤浩志、小山田徹、高嶺格
参加費:無料(申込不要、当日会場へ)
1984年に結成された「ダムタイプ」の伝説的パフォーマンス作品≪S/N≫を上映。ダムタイプの前進である劇団を立ち上げた藤。そしてダムタイプのメンバーとして制作、出演をした小山田、高嶺の3名によるアフタートークを行います。どのような時代を生き、何を見つめ、何を共有してきたのか。プログラム最後を締めくくるこの日、ツナガルシクミが見えてくる!?


↑柴洋・おさいほう教室<青森の民芸と出会う>
参考写真


↑ダムタイプ《S/N》

 

  【参加アーティスト紹介】
藤 浩志 FUJI Hiroshi
藤浩志企画制作室代表、美術家。1960年鹿児島生まれ。鹿児島県立甲南高等学校卒業。83年京都市立芸術大学美術学部工芸コース染織専攻卒業。85年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。[地域資源・適正技術・協力関係]から発生するジャンルに捉われない活動の企画・制作を試みる。
 
≪Kaekko≫金沢21世紀美術館、2002年。

■小山田 徹 KOYAMADA Toru  
美術家、風景収集狂者(活動名:Land Scape Maniacs)。 1961年鹿児島生まれ。鹿児島県立甲南高等学校卒業。84年京都市立芸術大学日本画科卒業。同年、京都市立芸術大学院日本画科入学。大学在学中に「ダムタイプ」を結成。ダムタイプの活動と平行して90年から、さまざまな共有空間の開発を始める。

photo: YAMAMOTO Tadasu

 
≪アントルポッの放課後≫大阪市アーツアポリア、2002年。

■高嶺 格 TAKAMINE Tadasu
美術家。1968年鹿児島生まれ。鹿児島県立甲南高等学校卒業。91年 京都市立芸術大学工芸科漆工専攻卒業。99年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業。ダムタイプの作品「S/N」、「pH」、「OR」に参加。自身の身体や経験、民族や性、自己と他者など様々な問題と関わる中、新たな関係性や未来を切り開いていくプロセスを表現する。

photo: eric

 
≪大きな休息≫せんだいメディアテーク、2008年。
photo by 越後谷 出

【ゲスト講師、出演者】
■森 司(もり・つかさ)
財団法人東京都歴史文化財団 東京文化発信プロジェクト室 地域文化交流推進担当課長。1960年愛知県生まれ。多摩美大大学院美術研究科(芸術学)修了。水戸芸術館現代芸術センターに開館準備段階から勤務。クリスト、長沢英俊、野村仁、川俣正、椿昇、日比野克彦、宮島達男らの個展やグループ展、「カフェ・イン・水戸」などを多数手がける。2003年バングラディシュ・ビエンナーレ日本コミッショナー。10年4月より現職。

■柴田 美穂子(しばた・みほこ)
2000年に柴田洋裁教室(通称:柴洋)を復校、2代目院長となる。2005年、柴洋・京都店を開店。オーガニックカフェ、オリジナルマタニティ&ベビーブランドを立ち上げ経営している。

■鶴林 万平(つるばやし・まんぺい)
サウンドアーティスト自作音響機器を用いたsoni sound project をはじめとし、ライブパフォーマンスやインスタレーション、ワークショップなどを行う。ビジュアルアーティストとのコラボレーション多数。

■山田 創平(やまだ・そうへい)
京都精華大学人文学部専任講師。文学博士。(特)関西エイズ対策急御議会理事。さまざまな地域におけるアート・プロジェクトに関わり、地域の系譜を探る中で見えてくる空間を、新たな表現の可能性として切り拓く活動を行う。

 

アーティスト・イン・レジデンスプログラムのサポーターを募集しています!】

上記アーティストの滞在中、あなたも国際芸術センター青森サポーターとして、アーティストとの交流を深めながらスタッフの一員として活躍してみませんか?
■サポート活動について
・通訳(海外からのアーティストの通訳を行います) ・創作補助(リサーチや作品制作のお手伝い)
・イベント企画(交流パーティーなどの企画運営)、他

■参加条件など
サポーターは登録制です。また、登録にあたって、下記が必要になります。
登録料:1,000円 (サポーターパス制作費、事務連絡費として)
活動中のボランティア保険を事務局が負担します。サポーターの方へは、ACAC発行のカタログや定期刊行誌進呈などの特典があります。

■申し込み&お問い合わせ
国際芸術センター青森 acac-air@acac-aomori.jp

 

 
  〈お問い合わせ〉国際芸術センター青森
〒030-0134 青森市合子沢字山崎152-6 Tel.017-764-5200 Fax.017-764-5201
e-mail acac-1@acac-aomori.jp http://www.acac-aomori.jp/
 

Copyright (C) 2007 Aomori Contemporary Art Centre. All Rights Reserved