■ 2006年 秋のアーティスト・イン・レジデンス(AIR)プログラムのお知らせ
 
 
SUSPENDED 浮景
 
 

参加アーティストと作品 | 交流プログラム | NOW on A.I.R.

 
 
プレスリリース<PDF> 
 
 
チラシ表チラシ裏

 国際芸術センター青森(ACAC)は、アーティスト・イン・レジデンスを中心プログラムとした施設として、2001年12月に開館し、年に2回、春と秋に国内外からアーティストを招聘するアーティスト・イン・レジデンスを開催してまいりました。レジデンス・プログラムでは、現代芸術の分野で活躍するアーティストを招聘し、期間中の滞在制作、展覧会、またワークショップやレクチャーといった交流イベントを開催いたします。春の指名制に対し、秋は全世界からの申請を受け付ける公募制をとり、若手アーティストを中心にプログラムを進めて参りました。

 秋の公募制のレジデンスとしては5回目(レジデンスとしては通算11回目)となります2006年秋のアーティスト・イン・レジデンス・プログラムでは、公募により決定された国内外のアーティスト4名を招聘いたします。


 「浮景」とは、景色が浮き上がって見える蜃気楼の別名です。浮き上がった景色は、現実の景色が元となっていますが、全く異なる風景―時に全く未知の風景―として我々の前に出現します。それらは、古来より様々な物語の源となり、神話や伝説と結びついていきました。そして、その現象が科学的に解明されうる今なお、不思議な現象として、色あせぬ魅力を持っています。

  芸術作品との出会いは、この浮景との出会いに似ているのかもしれません。具体的な実存がその背後にありながらも、屈折と角度により異なる形を我々に提示し、そしてその異形ゆえに、次から次へと別の想像をかき立てる。間違いなく目に見えるのに、いつまで行っても辿り着くことができない、逃げ続ける風景。これだと思った途端、ひらりとかわし、私たちを途方に暮れさせる作品解釈。帰着しない問いと答えは、思考の中で、世界の中で、浮き上がった景色のように宙吊りにされます。

  答えではなく、疑問を提示するもの。ある種の完成を求められながらも、常にひらかれていること。それこそがアートの魅力であるともいえるのでしょう。
  今回は、ポーランド、ドイツ、日本からの4人のアーティストがACACで滞在制作を行いました。彼らは我々にどのような世界を見せてくれるのでしょうか。


【参加アーティスト】

武内 貴子(たけうち・たかこ)<日本・福岡>
山口 紀子(やまぐち・のりこ)<日本・東京>
Izabela JADACH(イザベラ・ヤダッハ)<ポーランド・シュチェチン>
Tatjana PREUSS(タチアナ・プロイス)<ドイツ・ハノーファ>

【会期】
滞在 :2006年9月15日(金)〜12月1日(金)
展覧会:2006年10月28日(土)〜11月26日(日)


 
 
 
 

【交流プログラム】

 1.スタジオ公開※申込不要。当日会場にお越し下さい。
◎10月8日(日)午後2−4時 アーティストの作業風景の公開
 2.アーティスト・トーク※申込不要。当日会場にお越し下さい。   
◎10月28日(土)、11月26日(日)午後2−3時 アーティストによる作品解説
 3.トーク・セッション(アート講座)※申込不要。当日会場にお越し下さい。
◎11月12日(日)午後2時−4時 武内貴子+タチアナ・プロイス+担当学芸員
◎11月19日(日)午後2時−4時 山口紀子+イザベラ・ヤダッハ+担当学芸員
 4.ワークショップ※要申込
◎11月25日(土)午前10時−午後3時
 「セルフ・ポートレート/頭像」 講師:イザベラ・ヤダッハ
ヤダッハ作品の制作の方法(石こう型取り)を体験しながら、彫刻作品を制作します。
※要申込、定員20名、締切11月17日(金)午後5時までにACACへ(電話、メール、FAX)参加費無料

◎毎週土曜日 午後2時−午後4時
 「風のざわめきを集めて/Sweeping up the Swooosh」
  講師:タチアナ・プロイス 会場:創作棟 講義室
 自分の好きな楽器、音具、おもちゃなど、音の出るものなら何でもいいので持って来てください。 また、CDやレコードを自分で編集したテープや、生禄した音ネタをお持ちくださってもOKです。 もちろん生声で、モンゴルのホーミーを奏でるのも、バリ島のケチャ風に奏でるのもOKです。
 ここに集まったメンバーでバンドを結成し、秋のAIR展最終日の11月26日(日)午後3時に展覧会場でライブ・パフォーマンスを行います。
※申込不要、当日用具、器具を持参してください。参加費無料

タチアナワークショップ
 5.パフォーマンス※申込不要。当日会場にお越し下さい。
◎11月23日(木)午後5時-
 ダンスパフォーマンス「仄暮れ(ほのぐれ)」
 出演:松岡涼子(舞踏家/福岡)
武内貴子の作品とのコラボレーション ほのぐれ
松岡涼子
 1977年福岡県生まれ。2002年に福岡と東京で独舞公演を行って以来、劇場の他ギャラリーやカフェ、野外など広さを問わず様々な場で活動を展開。 2003年夕方、武内貴子とその作品に出会い、展示空間で独舞「―糸のさき、ふれること―」の機を得る。 これをきっかけに造形作家の手による空間に踊りを通して関わりはじめ、各地で様々な出会いを重ねつつ邁進中。 武内とのコラボレーションは2005年の個展「Through of the knots」(北九州市・旧百三十銀行ギャラリー)につづく。
◎11月26日(土)午後3時-
 サウンドパフォーマンス「風のざわめきを集めて/Sweeping up the Swooosh」
 出演:タチアナ・プロイス、AIRS
Noise Musicについて
 日本ではノイズと言うと、雑音や非常に大きな音を出すことのように思われていますが、海外でNoise Musicというと、音符で書くことのできない音楽すべてをさします。民族音楽をベースにした新しい音楽や、現代音楽やフリージャズをベースにした即興演奏、環境音を取り込んだ音楽などなど、静かな曲でもNoise Musicと呼びます。
 6.ギャラリー・ツアー ※申込不要。当日会場にお越し下さい。
◎11月4日(土)午後2時−3時 学芸員による作品解説

◎11月18日(土)午後2時−3時 学芸員による作品解説
 ※不明な点や詳しい内容はお問い合わせください(017-764-5200、acac-1@acac-aomori.jp
 
 
 
  【参加アーティスト紹介】

■ 武内 貴子(たけうち・たかこ)[日本]
 1979年福岡生まれ。2002年福岡教育大学小学校教員養成課程美術専修卒業、2004年福岡教育大学大学院教育研究科(立体構成デザイン領域)修了。生活の中で行ってきた「結ぶ」という単純行為と、「契りを結ぶ」「縁を結ぶ」などのように、そこに込められた意味に着目。和紙を思わせる布や紐などを結びつなげていったインスタレーションを展開。また、その「結ぶ」プロセスをも重視する。ACACでは雪のかまくらをモチーフとした構造物を制作。福岡アジア美術館「アジア楽市楽座・リターンズ」参加ほか。 <Through of the knots(結び目を通して)>2005

■ 山口 紀子(やまぐち・のりこ)[日本]
 1972年東京生まれ。1994年東京芸術大学美術学部工芸科卒業、1996年東京芸術大学大学院美術研究科修了。紙を縒るという行為を表現方法として、偶然性を意識的に作品に反映した制作を追及。和紙を縒りながら繋げていったものを、光の変化が美しいギャラリーBに設置する。平塚市美術館「かご展」参加(2004年)ほか。
Evocative(喚起する)
<Evocative(喚起する)>2006

■ Izabela JADACH(イザベラ・ヤダッハ)[ポーランド]
 1969年ポーランド、シュチェチン生まれ。1989年シュチェチン・メディカル・カレッジ卒業、2002年 UCLA陶芸科修了。身体の物理的な空間に注目した彫像を制作。石こう型取りによる人体像は、皮膚のみの空っぽの身体を思わせる。
Self-portrait as acrobat(アクロバットとしての自画像)
<Self-portrait as acrobat(アクロバットとしての自画像)>2005

■ Tatjana PREUSS(タチアナ・プロイス)[ドイツ]
 1978年ドイツ、ハノーファ生まれ。1998年ハノーファ大学、哲学・ロマンス言語学科修了。2次元的な絵画を舞台の書割りのように設置し、観客が入ることのできる3次元的絵画を制作予定。インスタレーションには音も使い、視覚的、空間的に体験できる作品を提案。展覧会最終日にはワークショップによって結成されたバンドによるライブを行う予定。
La Lagone
<La Lagone>2005


 
 
 

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上記アーティストの滞在中、あなたも国際芸術センター青森サポーターとして、アーティストとの交流を深めながらスタッフの一員として活躍してみませんか?

■サポート活動について
通訳(海外からのアーティストの通訳を行います)
創作補助(リサーチや作品制作のお手伝い)
イベント企画(交流パーティーなどの企画運営)、他

■参加条件など
サポーターは登録制です。また、登録にあたって、下記が必要になります。
登録料:1,000円 (サポーターパス制作費、事務連絡費として)
活動中のボランティア保険を事務局が負担します。
サポーターの方へは、ACAC発行のカタログや定期刊行誌進呈などの特典があります。

■申し込み&お問い合わせ
国際芸術センター青森 acac-air@acac-aomori.jp

   
 
 
  〈お問い合わせ〉国際芸術センター青森
〒030-0134 青森市合子沢字山崎152-6 Tel.017-764-5200 Fax.017-764-5201
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