■ 2004年 アーティスト・イン・レジデンス・プログラム2004秋
 


 
 プログラムテーマ −DI・STANCE ディスタンス:ふたつの位置−
 




参加アーティストと作品 | プログラムデータ | その他の活動

 
参加アーティストと作品



【参加アーティスト】

■ 山下 工美 (やました・くみ)[日本]

「 ACACに来る日の朝、こんな夢を見ました。
空は真っ青で砂浜は真っ白に輝いていました。私の目の前に広がる砂浜に向かって泳いでいきました。海の水はきれいで透明で底に隙間なく横たわる無数の死体がよく見えました。水はとても浅く泳ぐ私の手や足がぬるぬるした死体に触れました。彼らがかわいそうに思えました。しかし砂浜がなんてきれいに見えたことか。
現実と非現実の狭間、流れ着いた心地のいい場所から、どうやって離れられるでしょうか。」


1968年群馬県生まれ。99年グラスゴー美術学校修士課程修了。光や影を使い、永遠・非永遠、見えるもの見えないもの、外側と内側の分別を作品で追求する。99年リバプールビエンナーレ参加、2000年キリンアートアワード受賞。


<発表作品>
 ・「ここちのいい場所」石
 ・「赤い絵、緑の繪」アルミ



■ 水谷 一 (みずたに・はじめ)[日本]

「ここにいる間ずっと、夜を見ていました。とても穏やかで、穏やかであるほどにある種の凶器が私の網膜からそっと、左の肩に触っているのがわかりました。それは背中の皮膚を小刻みに痙攣させ、徐々に身体に入り込み、私の肺にミルクのような無数の小さな傷を作りました。」


1976年神奈川県生まれ。03年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。次元空間に這い出すような立体的なドローイングが特徴的。絵画世界と現実世界との境界が曖昧になり、歪んだ線や広がっていった作品は絵画的であり、彫刻的でもある。02年フィリップモリスアートアワード受賞、03年キリンアートアワード受賞、04年第七回岡本太郎記念現代芸術大賞展(川崎市岡本太郎美術館)参加。


<発表作品>
 ・「襞」木炭、紙



■ Stephen Wilks (スティーヴン・ウィルクス)[イギリス]

「旅するロバたち」のプロジェクトは、2000年に始まりました。私は等身大の布製ロバを担いで街を歩き、日常的な状況を挑発し、街での人々との出会いに刺激を与えました。それ以来このプロジェクトは安定した発展を続け、現在では10頭のロバたちが、作者である私の手から離れて、家から家と旅を続け、彼ら自身の独自のネットワークを世界中に形成しています。
今回の展覧会「ディスタンス」では、私は「家」というテーマを発展させました。それはどこかに属する感覚、あるいは何処にも属さない感覚と結びついています。今回は2頭のロバが青森を旅しました。人々はロバを「家」に連れて帰り、それぞれの家についての考えやスケッチをロバのお腹の脇に浮いているポケットに入れてくれるよう依頼されます。展示最初では展覧会過去数週間の記録をお見せすることになりますが、プロジェクトそのものにはずみがつけば、展示期間中にロバの旅や展示の範囲はさらに広がるでしょう。

1964年イギリス、ブリッジウォーター生まれ、ベルリン在住。世界各地で2000年より継続中のプロジェクト、「旅するロバたち(traveling donkeys)」を青森で行う予定。実物大のロバのぬいぐるみをそれぞれの土地のさまざまな家にホームステイさせたり、学校へ訪問したりするコミュニケーションプロジェクトを展開する。1998年DAAD(ドイツ学術奨学生)。


<発表作品>
 ・「旅するロバたち:僕を家につれていって」布、写真、ドローイング



■ Dagmar Pachtner(ダグマー・パハトナー)[ドイツ]

もとより座ることについて、その原動力や意味内容に関心がありました。私の以前の作品でも、この主題にいくつか取り組んでみたことがあります。日本に来たことで、座ることにも国それぞれ多様な作法があることに気づきました。その背景をたずねるうちに、日本の伝統や根源、すわなち禅について、より深く考察したいと思うようになりました。そしてまた現代の生活において、椅子に座ることと床に座ることがあるという状況についても、様々な個人の意見を聞いてみたいと思います。


1961年ドイツ、ノイシュタット生まれ、ランツフート在住。空間の構造、空間がもつ意味を考えるサイト・スペシフィックな作品や戦争や暴力など歴史的な事件に関連する作品、あるいは人々の生活の基盤とそれに対する処遇をテーマとする作品を制作する。今回は「座る」ということをテーマにコンセプチャルな作品を展開する予定。


<発表作品>
 「Setting(座ること)」ビデオ、椅子、影、クッション、ライト



■ 馬 ヨ(マー・ハン)[中国] 

私の作品は距離に関するゲームです。この円盤の中に入口と出口を一つずつ作りました。入口と出口のあいだは、ひとつの曲線からなる通路でつながれています。入口から出口まで歩くのに2、3分とはかからないでしょう。隣の壁には、この曲線部分がくり抜かれた板を展示しています。ここには先ほど辿った道の距離が示されているわけです。これはまさに忘れられた距離です。この距離を甦らせることがこの作品の核心です。

1968年中国、株洲生まれ、北京在住。日常的な素材を用いながら、あらゆるものの内側に存在する文化的構造を引き出す。2003年「Beijing Afloat」展参加。


<発表作品>
「どのくらい歩いて来たのか?」アクリルインク、泥、果汁、板、木


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